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及川 哲邦; 近藤 雅明; 渡辺 裕一*; 白石 巌*; 廣瀬 次郎*; 村松 健
Proc. of Int. Topical Meeting on Probabilistic Safety Assessment (PSA'99), 1, p.77 - 84, 1999/00
本論文では、原研で実施したBWRモデルプラントの地震時確率論的安全評価(PSA)の結果と知見をまとめている。起因事象では外部電源喪失が、事故シーケンスとしては崩壊熱除去機能喪失及び全交流電源喪失シーケンスが、システムとしては非常機器冷却系のようなサポート系の喪失が支配的であるとの結果となった。また原研で新たに開発した手法により相関性が炉心損傷頻度(CDF)に及ぼす影響を検討した結果、米国の先行研究で指摘されている程には大きくない可能性が示唆された。原研の地震PSA手法はリスク上重要な因子の理解に有効であること、しかしCDFの絶対値を意思決定に使用するには、さらなるデータの改善が必要なこと等が知見として得られた。さらに、新たに提案した重要度指標による解析等によれば、地震危険度の不確実さが重要度評価に及ぼす影響は小さく、リスク上重要な因子の摘出が可能との方向性が示された。
渡邉 憲夫
日本原子力学会誌, 38(4), p.252 - 261, 1996/00
前兆事象(ASP)評価は、確率論的安全評価(PSA)手法を利用して、原子力発電プラントで発生した事故・故障事例の重要度を、炉心損傷事故に至る可能性の観点から定量的に評価するための方法である。この評価は米国原子力規制委員会(NRC)において開発・利用されているが、近年では、PSA技術の進歩に伴って評価精度が向上したこと等により、事故・故障事例の分析・評価のみならず、PSA結果の妥当性検討等、多方面に利用されつつある。筆者は、1年間NRCに滞在しASP評価に携わってきたが、本稿では、その経験を通して得た知見と、公開の文献情報を基に、ASP評価研究の経緯と技術的内容について解析する。